02 全ての仕事を5軸で,アルミ鋳物・ダイカストの試作・量産加工の富士精機製作所

HOME

02 全ての仕事を5軸で

未来のモノづくりとは何だろう？富士精機が出した答えの一つが、「5軸加工」でした。今回は、5軸加工に対する富士精機の考えをご紹介いたします。

5軸加工は難しい？

日本では、5軸加工といえば、「従来のMCではできない複雑で特殊な加工。高度な技術が必要で使いこなすのが難しい加工」とのイメージがあります。確かに同時5軸加工によるインペラーやタービンブレードは工芸品のような美しさを感じます。しかしながら、私達は5軸加工の良さはそこだけではなく、アイデア次第で無限の可能性を秘めていることであると考えます。

5軸加工の副産物

私達も最初に5軸加工機を購入した際は、その精度や加工力に魅力を感じたためでした。従来、複数の工程で行っていた加工をワンチャックで行えば、位置ズレが減り高精度な加工を維持することができ、また、3軸加工では不可能であった複雑形状も加工ができるというものです。
実際動かしてみると、5軸加工機は刃物台と工具ホルダーを固定すれば、3軸加工機と同じ感覚で扱えることが分かりました。特に松浦機械製の5軸加工機は作業性・接近性に優れた設計をしており、スムーズに移行をすることができました。そして、5年前に1号機を購入して依頼、治具設計を含めて試行錯誤を続け、今では若手であっても、驚くような精密加工が行えるようになりました。

その一方で、実際に機械を導入してみると、思わぬ副産物が見つかりました。段取り替えが無くなったことにより、人が暇になってしまったのです！

5軸加工機の多台持ち

では空いた時間はどうしよう！？ということで考えた末、5軸加工機をもう一台買って多台持ちしようという結論に至りました。
それでも未だ時間が余ったら、その間は別の仕事の段取りをしよう、梱包を手伝おう、見積を作ろう、勉強をしよう・・等と次々とアイデアが生まれてきました。これは、比較的加工スピードの遅い5軸加工機であるからこそ可能な話かと思います。
富士精機では、機械の前に人はいません！

5軸ファクトリーへ

そうこうしているうちに、5年で約20台もの5軸加工機を購入するに至りました。特に本社の田無工場は8割の機械が5軸加工機となっております。
もっともこのアイデアは、小ロット多品種の試作案件に有効という訳ではなく、むしろ複雑形状を有する中規模の量産加工にも効果的だと感じます。弊社の量産工場である桶川工場・日高工場においても、5軸加工機が大活躍しています。

全ての機械を5軸機に

「加工は機械に任せ、人は知的労働をしよう」「職人は作らず、技術者を作ろう」「夜は家族と過ごそう」

私達の思い描く未来のモノづくりには5軸加工機が最適なパートナーであると考えます。そして、まだまだ素晴らしい可能性を秘めているとも感じます。
全ての機械が5軸機になったら、どのような工場になるのだろう？と今からワクワクしています。